昔から人々は、さまざまな美術品を求めたり、
書籍を集めては楽しんできました。
それは、所有という欲求を満たし、
知的な好奇心による人類の文化的な楽しみなのです。
でも、現代はそれだけではありません。
近世まで容易には得られなかった
「音の蒐集」
という楽しみもあります。

物質として捕らえどころが無いまま、
瞬時に消えてしまう「音」は、
すぐに過去の「ある空間の音」となり、
それを収めた「録音(レコード盤)」は、
時代を超えて再現することが出来ます。

それなりの年月が経った録音には、
かつて自身が生きて来た時代を思い返すような、
懐かしいものもあります。

しかし、
もっと時間が経ったものや、外国という
遠い文化の地であったりする録音には・・・
過去の古き良き時代への憧れのようなものや、
もうこの世に存在しない人の録音、
あるいは、ミステリアスで未知なるもの等へと
想像が広がり、
知の欲求が湧いて来るのではないでしょうか。

「音の蒐集」作品として、
貴重なレコード盤の数々を用いて
企画制作させてもらった音楽CDを御覧いただき、
お手許へ届くためのプロセスも、
合わせて楽しんでいただきたいと願っています。