膨大にある過去の音源・・・ 
時間が経てば、それらは時の彼方へと
埋もれて行ってしまうものですが、
その前に、
ヒットしたかどうか、売れたかどうか、
といった商業的価値観によって区別されてしまいます。

そこで経済的な価値を生産側に
もたらさなかったアーティストや作品は、
内容にかかわらず、
(一般的には)商業活動に取り上げられることもなく、
そのまま時の彼方へと埋もれ、
忘れられてしまいます。

例えば、骨董屋さんとか、古本屋さんみたいな・・・ 
古くて未知なるものが沢山
置いてあるような場所に行かれたことはありますか? 
もう誰も知らないような商品でも、
かつては購入され、愛用していた人達が
いたようなもの・・・ 
時を超えて、不思議なイメージを持つものもあります。

昭和40年代中頃生まれの筆者は、
幼い頃より1950年代から60年代の
美しい映画音楽やムード・ミュージックに
関心を持って聴き始め、いつの間にか、
当時の中古レコード(まだCDが無かったため)を
探しながら研究していました。

そうして行くうちに
「世の中には素晴らしい音楽がある、
でも、埋もれてしまっているから、それを紹介したい」
ということから、
ホームページ『ムード・ミュージックの楽しみ』は始まりました。
(1996年の開設時は
『ディスカッション・イン・1950〜60’s』というタイトルにて、
洋楽のオールディーズ、映画のサウンド・トラック、
そしてムード・ミュージックを同時に対象にしていました)

色んな思いをして入手させてもらった
レコード(録音)には、私自身の物語も含んでいます。
初期の頃には母方の祖母から資金援助を得て、
両親には言わずにこっそり買った
高額なレコード(苦笑)があったり、
プレミアがついていて、どうしても
買えなかったものもあります。
熱心に研究していた(若い頃の)私を思って
安く譲ってくれたことがあったり、
とても書ききれない程の体験があります。

レコード(録音)を聴いて、
体験した感動や、歓びを分かち合いたい・・・ 
ということを考えていた頃、
ムード・ミュージック、サントラの
輸入中古レコード専門店として、東京は池袋にあった
「メモリー・レコード店」(現在は息子さんが
BARをされています)の安藤さん、
その店にしばしば来ていた音楽評論家の
青木啓 先生、アメリカの作編曲家として
活躍したTak Shindo 先生ほか、
多くの方から色んな情報を
教えていただくことができました。

既に、みんな故人になってしまいましたが、
単なるデータの表示ではなく、
作品のプロセスを出すことによって
人間味のある空間をここで模索してみたいと思いました。
できるかどうか、は解りませんが(苦笑)

私が2003年5月から作らせてもらっている
復刻CD(CD-R盤)は、
アナログ・レコードの独特な味には手を加えず
ヴィンテージ・ムードたっぷりの音場を
お楽しみいただきたいという企画により、
古いレコードを音源としていますけれども、
本来は
音質よりも「聴く楽しさ」や「発見の歓び」を
分かち合いたいということが念頭にあります。

御紹介するタイトルには、
貴重な意味であったり、内容の面白さであったりと、
複数の側面がありますが、
どれも価値ある「音の蒐集」であることを私は
確信しています(笑)